21. スキャンダル1920 Scandal of 1920

作品について

このエピソードは「ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ」の第14話として2時間枠で放映された同名のエピソードを再編集した作品である。ただし、一部の国では「1920年 6月 ニューヨーク」、「1920年 7月 ニューヨーク」として2つに分けて放映されていた。

本エピソードは海外でテレビ放映されたのみであり、ビデオ化もされていない。

なお、分けて放映されたバージョンではそれぞれに1990年代の老インディのセクションが含まれていたが、再編集版ではすべてカットされている。

ストーリー

1920年 6月 ニューヨーク New York - June 1920

インディはシドニー・バシェがニューヨークで用意してくれたという夏休みのアルバイトのため、シカゴを離れていた。列車の中で、彼は若く美しい女性の隣に座るが、彼女はインディをあまり好意的に思っておらず、信用もしていないようだった。しかし、インディが落としたリンゴを巡る誤解が解けると、2人は緊張した状態から脱却する。彼女はペギー・ピーボディであると自己紹介すると、歌手としてブロードウェイでのデビューを目指し、ニューヨークへ向かっていると話すのだった。ペギーは少々無邪気なところがあったが、旅が進むにつれ、2人は親密になっていく。やがてニューヨークに到着すると、彼らは都市見物のため翌朝会う約束をするのだった。

その後、インディはこの街で同棲することになっている友人を訪ねるため、グリーンウッチ・ビレッジのアパートへと向かう。だが部屋には誰もおらず、彼は隣の部屋で開かれていたパーティに顔を出した。そこでインディはパーティの主催者ケイトと出会い、不在の友人は夏の間ヨーロッパ旅行に出かけているのだと聞かされる。結局、彼らは翌日の昼近くまで、考古学と文学についての議論に夢中になるのだった。そして、約束の時間に大幅に遅れてしまったことに気づいたインディはあわててペギーのホテルへと向かう。しかhし、彼女は既にチェックアウトしており、行き先も残されていなかった。混乱したインディはセントラル・パークを歩き回り、その後、スーツケースを取りにケイトの部屋へと戻る。ケイトは自分のところで寝泊りするようインディに勧め、彼もそれを受け入れたのだった。

その後、インディはアルバイトのことでシドニーに会うためハーレムへと向かうが、残念なことに仕事の話は破談になってしまう。シドニーはインディのサックスを持ってきており、彼らはシドニーの友人であるジョージ・ガーシュインを交えて即興の演奏を行うのだった。するとガーシュインはインディの演奏に感動し、彼を連れて食事に出かけることになる。その後、ガーシュインの作曲家の友人、ジョージ・ホワイトとアービン・ベルリンらと共にビリヤードで遊んでいたときに、インディはガーシュインにペギーのことを話した。すると、彼らはインディに恋と音楽について語り始める。また、ガーシュインは彼に、グラブ・シアターへ行き、マックという男に仕事をもらえるよう頼めと告げるのだった。

ケイトの部屋に戻ったインディは、彼女と少しの会話を行った後、ついにキスを交わすことになる。そして翌朝、インディは劇場へ行き、舞台監督マックの助手を行う仕事を得たのだった。劇場はジョージ・ホワイトが主演と監督を務める「スキャンダル1920」のリハーサルの真っ最中であり、この作品は「ジーグフェルド・フォーリーズ」を吹き飛ばすことが期待されていた。しかし、インディはこの仕事が終わるまで、ジーグフレッドの主演女優アン・ペニングトンとは離れたところで働くことになる。一報、彼の助手のシュワルツはこの演劇が背負っている負債について心配していたが、ホワイトはこんなことで頭を悩ませたくないと考えていた。ジョージはこの演劇の音楽を作っているのだ。そして休憩の間、インディがガーシュインにケイトのことを話すと、彼はインディとケイトを五番街のパーティへ招待してくれた。だが、インディがケイトの部屋に戻ると、彼女は詩の朗読会に行くため招待を断ると言う。彼女はインディに1人で行くよう告げるのだった。

ジョージとインディはパーティに到着するが、インディはペントハウスの壮麗さと、主催者の娘グロリア・スキューラーの美しさに心を奪われてしまう。そして、バンドがタンゴの演奏を始めると、彼はグロリアに従ってバルコニーへと出て行った。彼らはそこで踊り、グロリアもインディに魅了される。やがてパーティが終わると、彼女は夜明けにリムジンで彼を家に連れて行き、夜に再び会う約束を交わすのだった。そして彼は仕事に行く1時間前になんとかケイトの家に帰ってきた。ケイトもちょうど起床したとこであり、2人は1時にホテル・アルゴンキンで昼食をとる約束をするのだった。

その日の朝の職場では、ホワイトがコーラス・ガールたちを厳しく指導していた。そこへガーシュインが書いた歌のリハーサルを行うため、アン・ペニングトンが現われる。ガーシュインは彼女の歌い方が早すぎると文句を言うが、それ以前に彼女はこの歌が好きではなかったのだ。ホワイトはガーシュインに彼女の別の歌をもう1曲作るよう指示する。その後、ガーシュンはインディにグロリアと何をしたのかと尋ね、彼が女を二股かけていることについてからかうのだった。その後、グロリアがインディを昼食に誘うためにやってくる。だが、彼はホワイトのお使いをしなければならないという口実を使い、アルゴンキンで彼女と別れてしまう。このとき2人は、10時に夕食を共にしようと約束したのだった。

ホテルの中で、ケイトは昼食に同席した友人たちにインディを紹介する。その中には作家のドロシー・パーカーや、評論家のアレキサンダー・ウールコットの姿もあり、残りの大半も演劇評論家だった。彼らは既にホワイトの作品に対して悲観的な評論を書いており、インディはその行為を不正であると考える。そしてその日の午後、新しいコーラス・ガールを決めるオーディションが開かれた。その中にはペギーの姿もあり、彼女はインディにダメだったと告げる。彼はジョージと話をし、彼女を連れ出すことができた。するとペギーは幸せそうな顔になり、6時に仕事が終わった後、インディに夕食を用意してあるので来てほしいと申し出る。その後、インディはケイトから電話を受け、8時ごろに夕食を一緒したいと誘われた。さらにその電話の途中にも、グロリアからのキャンディ・ボックスが届き、その中のメモには10時からのデートを忘れないようにと書いてあったのだ。ジョージはインディの苦境にただ唖然とするが、助け舟を差し出そうとはしなかった。

そして夕方になり、インディは職場を出ようとするが、酒に酔ったマックがさらなる仕事をもってきた。結局、彼はペギーと合う約束の時間に遅れてしまう。それでもペギーはインディにチリドッグをおごってくれたが、彼はそれを急いでほおばると、劇場に戻らなければならないと告げるのだった。次に彼はケイトのところへと急ぎ、大皿のパスタをご馳走される。そし同じように仕事に戻ると言い訳すると、次はグロリアのとこへと向った。すると、グロリアはインディが少しやつれているのを見て取り、1日3食とることの重要性を説き始めたのである。

翌日、職場では困った事態が発生していた。公演の開始が10日後に迫っているにも関わらず、新しいコーラス・ガールたちがなかなか曲を覚えてくれないのだ。ホワイトはアンに拒否された歌を任せられる歌手をまだ見つけていなかった。そこでインディはペギーにオーディションを受けさせてみてはどうかとジョージに尋ねる。すると、シュワルツがホワイトに悪い知らせを持ってきた。スポンサーがこの作品から撤退し、彼らで20,000ドルを用意しなければ、開演させることができないというのだ。その晩インディは、ペギー、ケイト、そしてグロリアにことの成り行きを説明する。グロリアはさっそく父親に電話をした。そして翌日、ペギーが歌のオーディションを受けていると、ある知らせが割って入ってくる。グロリアの父、J.J.スキューラーが新しいスポンサーを引き受けてくれたのだ。彼はさっそく娘を連れてリハーサルを見学に訪れる。そして彼はペギーのオーディションに感銘を受け、したがってホワイトも彼女に曲を与えることになった。興奮したペギーは喜びのあまり舞台裏でインディにキスをするが、このときちょうどホワイトがスキューラー親子を舞台裏見学に連れて回っており、インディの苦境を見た彼は、グロリアに見つかる前にあわててペギーをインディから引き離したのだった。

その夜、ケイトの家では一晩中、詩の朗読会が行われていた。ケイトはインディに対するお世辞を並べ立てた愛の詩を読み上げる。その後、彼はグロリアとの夕食のため立ち去り、そこで彼女から時計を贈られた。そして夕食が終わると、今度はホワイトとペギーを連れてシドニーに会いに行き、そこで彼女からモノグラムの入ったハンカチを贈るのだった。そして翌日の練習後、インディとジョージは彼の女性問題について話し合うが、インディにはどうすべきか決めることはできなかった。

数日後、ケイトとその友人たちと一緒に昼食をとっていたインディは、彼らからとんでもない事実を耳にする。ジーグフレッドが評論家たちを脅し、ホワイトの公演に良い評価を下した場合、彼らの新聞から広告を引き払うと宣告したというのだ。だが、評論家たちはジーグフレッドの脅迫には応じないと約束してくれた。そして食事中、インディはうっかりケイトに水をこぼしてしまう。インディはそれを拭くためにペギーから貰ったハンカチを取り出すが、ケイトは財布を注視しており、ことなきを得るのだった。

ついに開演まで1週間を切り、劇場では速いペースで物事が進んでいた。そのなかで上演時間が予想外に長くなってしまい、ペギーの歌が一部カットされることになる。インディは彼女が時間通りに練習できるよう手伝うため、グロリアから貰った時計ピンを与えるのだった。そして仕事が終わり、彼がケイトのところへ帰ろうとすると、グロリアからすぐに来てほしいという電話がかかってきた。彼はケイトに弁解し、グロリアのもとへと急ぐ。そしてペントハウスに着いたインディは、彼女にケイトの詩から引用した愛の言葉を贈るのだった。彼女はその言葉を大変気に入り、自分の煙草ケースに同じ言葉を刻むと約束したのである。

1920年 7月 ニューヨーク New York - July 1920

開演の前日、インディはグロリアから1ダースのバラの花束を受け取り、彼はそれをペギーに贈った。ホワイトは全員を情け容赦なく駆り立てた。インディは舞台のターンテーブルをスムーズに回転するようにするという難題を抱えており、それは公演にとって極めて重要な要素だった。ジョージとインディは練習後くつろぎ、公演の運命について話し合う。また、インディはこの日が21歳の誕生日であることを思い出していた。

そしてついに初演の日の夜を迎えるが、舞台裏は大混乱に包まれることになる。突然ケイトが劇場を訪れ、評論家たちが病気で倒れたため、インディに論評を書いてほしいと言ってきたのだ。するとグロリアが父と共に現われ、幕が上がるまでの数分間、インディの幸運を祈ってくれた。そのとき、最初の非常事態が発生する。ジーグフレッドが好意で届けてくれた酒に酔い、マックが倒れてしまったのである。そのためインディが公演を取り仕切る羽目になるが、すかさず次の非常事態が発生する。何者かによって最初の曲に使用する衣装が盗まれてしまったのだ。インディは他の衣装の羽から大急ぎで巨大な扇を作り上げる。こうして観衆と評論家たちに衝撃を与えつつ、オープニングの曲が始まったのだった。だが混乱はさらに続く。次の曲ではアンが着飾ることになっていたが、彼女の更衣室のドアが壊れてしまったのだ。インディは急いでそれを叩き壊すと、アンを舞台へと連れて行く。また一方では、公演の一役を担う猿のボンズが、怒り狂って木の上を走り回っていた。インディは彼を捕まえようとするが、うっかり舞台の上に柱を崩してしまう。だが、こうした最初のゴタゴタはあったものの、舞台はフィナーレまでなんとか進んでいった。しかし、最後の最後でターンテーブルが修理の甲斐なく壊れてしまう。ここでジョージがアイデアを捻り出した。彼は、当初皆が練習していた本来のゆっくりしたペースでペギーに歌わせたのである。ホワイトがジャズのラグタイム曲として作った歌を、ペギーはゆっくりとした愛のバラードとして歌い、観衆から拍手喝さいを受けるのだった。

公演は何とか無事に終了し、キャスト・パーティが開かれることになる。そこにはペギー、グロリア、ケイトも同席していたが、ジョージが彼らの注意を逸らし続けてくれたため、インディはなんとか助かっていた。すると新聞の早刷りが届き、そこでは特にペギーの歌が絶賛を受けていた。すると、ジョージとインディの必死の工作にも関わらず、ケイト、グロリア、ペギーが同時に化粧室へと向かう。そこでケイトはグロリアの煙草ケースに刻まれた数行の文字を発見した。また、グロリアはペギーが付けている時計ピンに気がついた。そしてペギーはケイトが手にしているハンカチに注目するのだった。そのころパーティ会場では、インディの前にバースデイ・ケーキが運ばれていた。そしてインディがロウソクを吹き消そうとしたとき、彼女らが入ってくる。インディはあわてて説明を試みるが、3人は無言で彼の顔面をケーキに押し付けたのだった。

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