10. ファントム・トレイン Phantom Train Of Doom

作品について

このエピソードは「ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ」の第17話として2時間枠で放映された同名のエピソードを再編集した作品である。

本エピソードは海外でテレビ放映されたのみだが、その後ビデオ化されている(国内版は既に絶版)。

ストーリー

1916年 11月 東アフリカ East Africa - November 1916

ヨーロッパでの戦争に嫌気が差したインディとレミは、アフリカへの転属を受諾した。到着と同時に彼らは中尉に昇格し、ナイロビのビクトリア湖に展開する部隊へと配属されることになる。しかし、2人は列車を乗り間違え、モーシへと向かってしまった。その後、彼らはモーシの駅で正しい列車を教えてもらうが、またしても違う列車に乗ってしまう。さらに、2番目の列車は途中で故障してしまい、技術者が修理要員を迎えに行くが、戻ってくるには1週間掛かるというのだ。そこでインディは地図を調べ、東に10マイル行ったところに別の線路が走っていることを突き止める。彼とレミは東へと歩いて進むが、美しい夕焼けを見たとき、レミは自分たちの進んでいる方向が西であることに気づいた。そして彼らは元の列車の位置まで戻ろうとし、その途中で老兵たちのみが配置された連合軍のキャンプを発見するのだった。

インディとレミは部隊指揮官に会わせてほしいと依頼するが、その指揮官こそはフレデリック・ズルー大尉その人だった。かつてインディは9歳のときに英領東アフリカのサファリで彼と出会っており、そこでズルーはルーズベルトと共に狩猟を行っていたのである。インディが状況を説明すると、ズルーは彼を上官であるジャン・クリスチャン・スマッツ将軍と諜報部のリチャード・マイナーツァーゲン少佐のところへ連れて行き、状況を説明すると約束してくれた。そして、ズルーはインディとレミを激しい爆撃に晒された前線へと連れて行ったのである。

マイナーツァーゲンはドイツ軍が線路上を走る平台型車両に搭載された戦艦大砲を持っていると考えていた。このときインディは何が起こっているのか理解する間もなく、ズルーによって第25ロイヤル・フュージリア連隊の義勇兵に加えられてしまう。彼らの任務はドイツ軍の大砲列車を破壊することである。部隊の他のメンバーは、熟練した海軍兵士バーニー・ソルト、破壊エキスパートのビッグ・マック、地元を知り尽くした追跡者ゴロー、機械工のゾルタン、戦術家のドナルド・パークス、そして指揮官のズルーだった。インディがレミにこのことを告げると、彼は怒り狂い、2人とも脱走兵として銃殺刑にされるに違いないと訴えるのだった。

ズルーの部隊は馬に乗って出発し、晩にキャンプを設営した。このとき、ズルーは自分たちがたいした作戦を持っていない即席部隊であることをインディに認めるのだった。するとドイツ軍による爆撃が開始され、ズルーは砲弾の滞空時間を計ることによって線路の位置を推測する。そして翌朝、インディはうっかり爆弾を湿らせてしまい、ビッグ・マックに激怒されるが、爆弾の信管が壊れてさえいなければ万事大丈夫だと請合った。やがて彼らは出発し、すぐに線路沿いに設営されたドイツ軍キャンプを発見する。老兵たちは暗くなるまで待つと、酒に酔った兵士たちを装ってうまくキャンプに侵入した。そして彼らは分散し、インディはトイレットペーパーを盗みに行かされる。また、彼はバーニーと共に車を盗み、キャンプの外で仲間と合流するのだった。一方、他のメンバーは手押しのトロッコを手に入れており、インディとバーニーはトロッコを使って線路を進むことになる。そして他のメンバーは車で線路の反対側へと向かうのだった。

反対側の終端から出発したインディとバーニーは中央へ向かってトロッコを押し、やがてドイツ軍の大砲を発見する。そして翌朝、2人は大砲列車に追いつくが、列車は一旦発砲すると、線路を下り始めるのだった。2人はその後を追うことになる。一方、線路の反対側にいた他のメンバーも列車が接近してくるのを発見し、車ごと死角に隠れていた。インディとバーニーは列車に追いつこうとするが、列車が丘の裏側に姿を隠した際に見失ってしまう。やがて彼らは仲間と合流し、間にいたはずの列車がズルーたちの前を通過していないことを知るのだった。列車は忽然と姿を消してしまったのである。他のメンバーが次に何をすべきか決断しようとしていたとき、インディは盗んだトイレットペーパーに着目した。それは紙不足のために再利用されていた古い文書であり、その中の1つは40マイルにおよぶ電話線の発注書だったのだ。彼らは線路に沿って電話線が埋められてるのを発見し、それを辿っていく。やがて彼らは断崖の絶壁に到達し、この絶壁を慎重に調べることによって、人工的に作られた洞穴への入り口が隠されていることを発見するのだった。

彼らは洞窟の中へと忍び込み、簡単に列車を発見する。そしてビッグ・マックの監視のもと、彼らは即座に爆弾の設置を開始した。するとドイツ兵たちが別の任務の準備のため列車付近に集まりはじめ、彼らは作業を急かされることになる。こうしてインディたちは速やかにタイマーをセットすると、爆弾をカバーで隠したのだった。しかし、配線不良によって爆弾は不発に終わり、彼らは再度列車に戻ってタイマーを再セットする羽目になる。この間、ズルーはシャベル係を殴り倒してやり過ごし、一方、インディはドイツ兵に成りすまして機関室に入ると、列車の出発を遅らせようと試みるのだった。だが最善を尽くしたものの、列車は側面に他の老兵たちを釘付けにしたまま動き出し、洞窟を脱出する。そしてビッグ・マックとズルーは爆弾を再セットしに戻り、インディは機関室から2人のドイツ兵を放り出すと、仲間を招き入れた。だが、列車の後方にいたドイツ兵たちも線路の脇に転がっている機関士に気づき、エンジンへの攻撃を開始する。こうして列車上での銃撃戦が繰り広げられるなか、インディたちは敵兵を列車の後ろ半分に乗せたまま機関車を切り離すことに成功し、大砲部分と共に逃走したのである。

インディはこのままドイツ軍を突破し、大砲を連合軍にもたらそうと提案する。だがドイツ軍は一歩先に電信で援軍を呼んでいた。敵は線路の一部を爆破すると、列車を取り押さえるべく兵士たちを送り込む。しかし、インディたちは列車を止め、蒸気に隠れてなんとか脱出することができた。そして数百ヤード離れた地点から、彼らはドイツ兵が爆弾を除去している姿を目撃することになる。ここで名射撃手ズルーはライフルを手に取り、ドイツ兵が手に持っているダイナマイトに狙いを定めた。インディは不可能だと言い放つが、ズルーはおよそ500メートル先にある爆弾を撃ち抜いたのである。列車は大砲もろとも大爆発に飲み込まれ、任務を終えた彼らは連合軍本部へと戻っていく。インディと再会したレミは大喜びするが、インディは再び老兵部隊に加えられることを心配していたのだった。

そのころスマッツ将軍は他の兵士たちに、連合軍の悩みの種だったドイツ軍将校、ポール・フォン・レトー=フォルベック大佐を捕獲するチャンスが訪れたことを説明していた。そこへインディが現れ、彼はイギリス人将校たちに、自分の所属部隊の指揮官宛に弁明の手紙を書いてくれるよう要求する。その後、ズルーが彼らをビクトリア湖へ送ることになるが、彼は別ルートを通って行くと告げ、インディとレミを車に乗せて出発するのだった。しかし、ズルーはこのルートがレトー=フォルベック大佐を発見したという報告のあった場所へ向かうものであることを2人に説明していなかったのである。やがて彼らはドイツ領を通過することになり、ボーア人の入植者に変装するが、女物のドレスを着せられたレミは計画に不快感を訴える。そして最初の夜が明けたとき、彼らはマーガレットという名のドイツ軍急使を見つけ、彼女を捕虜とした。ズルーによると、彼はマーガレットと、アフリカで最も優れたパイロットの1人であるその母親に面識があるという。やがて夜が訪れ、彼らはキャンプを設営するのだった。インディはマーガレットに食べ物を勧めると、彼女をなんとか会話に引き込もうと試みる。このとき彼女はインディに、「彼」を捕らえることは不可能だと告げるが、ビクトリア湖に向かっていると信じていたインディには何のことは分からなかった。彼は会話の内容についてズルーに尋ねるが、彼も知らん振りを決め込んでいたのである。

その翌日、彼らはドイツ軍パトロールと遭遇した。彼らはワゴンの隠し区画にバーニーとマーガレットを隠すが、変装でドイツ兵を騙すことはできず、捕虜となってしまう。ワゴンの中も捜索されたが、2人は発見されなかった。その後、彼らはドイツ軍のキャンプへ連れて行かれ、レトー=フォルベック大佐の前に連行される。すると大佐はズルーに気づき、彼らを丁重にもてなすよう指示すると、翌朝銃殺するよう命じるのだった。そのときまで捕虜たちは収容所の独房に入れられることになる。そして夜遅く、バーニーが隠し区画から脱出し、仲間たちが捕らえられている場所を探していた。彼は見張りを倒し、彼らの解放に成功する。彼らはドイツ軍の車庫と偵察用戦闘機を破壊して追跡できないようにすると、自分たちの脱出用の車を奪ったのだった。だが、ズルーはレトー=フォルベック大佐を捕らえるべきだと決断する。彼らは大佐のテントに忍び込み、容易に彼を捕らえたのだった。一方、マーガレットも自力でワゴンを脱出すると、味方に警告を与える。ズルーの部隊はレトー=フォルベック大佐をインディとレミに預け、二手に分かれるのだった。

インディとレミは大きなバスケットに非難し、それが熱気球であることに気づいた。そしてドイツ兵が接近すると、インディは気球を上昇させ、空へと逃れる。気球は仲間たちが車で待っている場所まで飛んでいったが、インディはそれを着陸させることができなかった。するとドイツ兵たちが押し寄せ、仲間たちも逃走を余儀なくされる。また、インディも気球をさらに上昇させ、自力でその場から逃れるのだった。

その翌日、レトー=フォルベックはインディとレミの兵士としての不適切な行動にますます嫌気が差していった。そこで彼はコンパスをチェックし、気球がドイツ領へ向かっていると告げると、2人に降伏するよう要求する。だが、2人は自分たちで方向を調べるためコンパスを奪い取り、実際には連合軍の領域のある北へ向かっていることを確認するのだった。しかしその直後、ドイツ軍の追跡部隊が視界に現れ、気球を破裂させるべく発砲を開始する。インディは必死に継ぎ接ぎをあて、レミもゴンドラから重しを放り投げるが、気球は次第に高度を下げていき、ついにはゴンドラの底で地面を擦りながら進みだした。インディは気球に乗り込もうとする大胆なドイツ兵と戦わなければならない状況に追い込まれる。そしてもはやこれまでと思ったとき、崖の上で気球が突如上昇し、彼らは追っ手を退けることに成功したのである。

やがてインディが気球への継ぎ接ぎを終えると、マーガレットが修理した偵察用戦闘機で現れた。レミは彼女の飛行機を撃墜させるべく重機関銃を発砲し、機体を操縦不能にするが、彼女が最後の特攻を試みたため、インディが機関銃を手にとって応戦する。しかし、機関銃はインディの頭上で踊りだし、彼は気球の縄を撃ってしまう。やがて彼らは軟着陸し、徒歩で進む羽目になるのだった。そして歩きながら、ルトー=フォルベックはこの2年間、いかに自分がドイツ軍を旨くまとめてきたかを力説する。彼の説明によると、軍人には2つの使命があるという。1つは命令に従うことであり、もう1つは生き続けることだというのだ。

そして翌日、彼らは脅迫的な部族民と遭遇する。3人は走って逃げようとするが、追跡されてしまい、インディは仕方なく信頼する振りをしてルトー=フォルベックに銃を渡すのだった。そして部族民が3人を取り囲んだとき、修理した偵察用戦闘機でマーガレットが現れ、ブザーを鳴らす。部族民は恐怖におののいて逃走していった。そして彼女が着陸すると、ルトー=フォルベックは飛行機へと逃れようとする。インディは彼に銃を向け、マーガレットもインディに銃を向けるが、同時にレミも彼女を狙っていた。彼らはそのままこう着状態となり、やがてドイツ兵たちが遠方からやってくる。追い詰められたインディはレトー=フォルベックの論理に基づき、決断を下すことになるのだった。彼は大佐に関する特別な任務を与えられたわけではなく、したがって第一の任務はこの状況を生き延びることである。彼はルトー=フォルベックを解放するのだった。その代わりに、大佐も自分のコンパスをインディとレミに渡し、兵士たちを退去させることを約束したのである。

そして2日後、インディとレミはまだ連合軍の領域へと向かっている途中だった。やがて2人はズルーの部隊と再び合流し、車に乗せてもらうことになる。だがその途中、彼らはもう1、2回止まることになるだろう。

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