1. 初めての冒険 My First Adventure

作品について

このエピソードは「ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ」の第1話として2時間枠で放映された「ジャッカルの呪い」の前半部分(1908年 5月 エジプト)に、新たに作られた「1908年 タンジェ」を組み合わせ、1つのエピソードとして再編集した作品である。インディ役がショーン・パトリック・フラナリーに変わる後半部分(1916年 3月 メキシコ)は、チャプター6の後半として収録されている。

「ジャッカルの呪い」は日本でも1992年初頭に「インディ・ジョーンズ 若き日の大冒険」と称したシリーズでテレビ放映されたことがあり、ビデオ、LD-BOX、文庫本が発売されている(いずれも既に絶版)。だが、タンジェ編はシリーズ再編の際に作られた追加エピソードであるため、海外でも単独でのテレビ放映はされていない。また、再編集によってチャプター1となった後の作品も海外でテレビ放映されたのみであり、現在でもビデオ化はされていない。

当初、「ジャッカルの呪い」は秘宝ジャッカルを巡る8年越しの冒険を描く大作だったが、ストーリーが分断されたことによってチャプター1と6はそれぞれを単独で観ると、前半部と後半部の内容に一貫性のない作品となってしまった。だが、シリーズ全体を通して観た場合、ヤング・インディはエピソード間の伏線が多いシリーズであるため、さほど気にならないのも事実である。ストーリーの一貫性よりタイムラインの連続性を優先したのだろう。

なお、「ジャッカルの呪い」に含まれていた1990年代の老インディのセクションは再編集の際にすべてカットされており、エジプト編とタンジェ編を繋ぐシーンが新たに追加されている。

ストーリー

1908年 5月 エジプト Egypt - May 1908

プリンストン大学で中世史学の教授を務めるヘンリー・ジョーンズ博士が、世界中の様々な大学で講演を行うようにと勧められた。彼の息子ヘンリー ”インディアナ” ジョーンズ・ジュニアは、父親から家族で2年間の世界旅行に出かけると告げられる。

ジョーンズ一家は大西洋を横断し、汽車に乗ってイギリスに到着した。その後、彼らはオックスフォードへ向い、ジョーンズ教授は最初の講演のため大学へと出かける。そこで若きインディはミス・ヘレン・シーモアに紹介された。彼女はかつて父の家庭教師を務めていた女性であり、今回はインディの家庭教師として旅に同伴することになったのだ。だが、2人の第一印象は互いに思わしいものではなかった。

エジプトへ向かう蒸気船の中でも、シーモア先生はインディに猛勉強をさせる。そして、インディは船長のテーブルでの夕食の席で、自分の知識を披露するチャンスを掴み、古代エジプト人が故人をミイラにする過程について生々しく詳細に語った。だが、この話は同席していた他の賓客たちから歓迎されず、彼らは次々と失敬したのだった。

ジョーンズ一家がカイロに到着すると、ヘンリー教授は大学での講演を始めるためにさっそく出かけてしまい、その間、インディは「邪悪な魔女」シーモア先生にたっぷり面倒を見てもらうことになる。そしてある日の午後、シーモアはインディを連れてピラミッドとスフィンクスを見学に出かけるのだった。だが、2人が小さめのピラミッドの1つに登っている間に、シーモアが約束の報酬を払わないことで腹を立てたガイドが帰ってしまい、彼らは砂漠の真ん中で立ち往生する羽目になる。2人がカイロに戻れなくなったことで絶望していると、自転車で彼らの方へと向かってくる人影が見えた。彼こそ、偶然にもかつてのシーモアの教え子だったT.E. ”ネッド” ロレンス(後の第1次世界大戦の際に、アラビアのロレンスとして知られるようになる)その人だったのだ。彼らはキャンプファイヤーを炊き、宗教と死に関する討論を始める。ロレンスは墓泥棒を殺すために生命を得て蘇るミイラの話をし、インディを怖がらせるのだった。

その後、ロレンスは2人を翌日の王家の谷への旅に招待する。そこでは彼の友人のハワード・カーター(後にツタンカーメン王の墓を発見する考古学者)が発掘作業を行っているのだ。インディは父親の許可が要ると告げるが、ジョーンズ教授は旅の過程を日記につけることを条件に息子に許可を与えたのだった。

インディ、ネッド、シーモアは、ちょうど新しい墓が発掘されたときに現場に到着する。ハワード・カーターは、そこがカーという名のエジプト人技術者もしくは建築家の墓所だと信じていた。さらに、彼らはカーターがこの付近のどこかにあると信じるツタンカーメン王の墓に関する証拠も発見したのだった。カーター、ネッド、インディ、シーモアは、ありのままを検分するため、墓の中へと入る。カーターは墓泥棒に荒らされている可能性を危惧していたが、カーのミイラは完全な状態だった。また、カーターは隠された別の部屋に貴重な工芸品があると考えており、彼らはすぐにその部屋を発見する。だが、隠し部屋からは毒ガスが噴出し、彼らはガスが晴れるまで墓から退去することを強いられるのだった。カーターは朝まで墓を守るため、ラシッドを見張りとして任命する。

翌朝、墓の中でラシッドが頭を強打され、ところどころを焦がされて死んでいるのが発見されたる。カーのミイラも行方不明だった。現地で雇われた作業者たちは、ラシッドの死がミイラの呪いによるものだという迷信を恐れ、次々と発掘現場から逃走していく。その晩、ネッドはインディに、ミイラに関する話は作り話だと告げ、謝罪するのだった。その後、ネッド、インディ、シーモアは再び墓に戻り、何かが無くなっていること発見する。ジャッカルの形をした金の頭飾りが消えているのだ。

次の日の早朝、インディはネッドに起こされた。ネッドはラシッドの遺体に付いていたマグネシウム粉末から、遠征写真家のピエールがラシッドを殺害した犯人ではないかと疑っており、彼のテントを調べようとしていたのだ。インディはピエールの監視を続け、彼が墓に向かうと、その後を追う。インディはそこでカーのミイラを発見するが、ピエールは犯人ではなかった。一方で、ネッドは発掘チームに帯同する爆破係りのデミトリオスが殺人犯であることを突き止めていた。ネッドはインディとの再会を誓って別れを告げると、犯人を捕らえるため自転車でカイロへと急ぐ。だが既に遅く、デミトリオスは金のジャッカルを持って逃走していたのだった。インディとシーモアは失望のまま両親のもとへと戻り、旅を続けることになる。

1908年 タンジェ Tangiers - 1908

インディ一家はタンジェへと移動し、そこで興味深い冒険に巻き込まれる。インディとその友人、オマルという名の奴隷が、奴隷商人によって誘拐されてしまったのだ。しかし、彼らはハリスという名のイギリス人レポーターの助けを得て、無事救出されるのだった。

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